– SNSの影響:健康に悪影響なトレンド [2024/3/15更新]
ソーシャルメディアのインフルエンサーからのアドバイスを鵜呑みにする若者たちが、危険なダイエットトレンドに追従していることが専門家からの警告で明らかになった。この行動は、健康被害をもたらす可能性があるという。UAEや海外の若者の中には、鶏の胸肉や生のニンジンだけを食べたり、食事をプロテインシェイクに置き換えたりといった、ソーシャルメディアのトレンドに追従する者がいる。しかし、この行動は深刻な病気を引き起こすかもしれないという。
アブダビとドバイの学校や保育園に給食を提供しているLeela’s Lunchesの共同設立者兼栄養士のカニカ・ヒューズは、多くの生徒が「インスタグラムから栄養情報を収集している」と述べている。「シックスパックの腹筋の持ち主や、トレーナーのような人を誰でもインスタグラムでフォローしている。これは極めて危険で、食物についての考え方として間違っている。ソーシャルメディアが栄養のトレンドに与える影響については深刻な懸念を抱いている」と彼女は語った。ヒューズは、専門家でないインフルエンサーからの健康やスキンケアのアドバイスを受けることを若者たちに対し警告した。彼女がアラブ首長国連邦の学校で講演をした際、多くの生徒がコーヒークレンズや生のニンジンだけを食べるダイエット法を試していることが判明した。彼女は、「これらは、15歳の子供が手を出すとは思えないような奇妙なものだ。私が最も問題視しているのは、健康とウェルネスに対する速攻的な解決策を探そうという考え方だ。健康とウェルネスに関しては、”ハック “は存在しない」と述べた。
「アラブ若者調査2023」によると、アラブの若者の60%がソーシャルメディアの利用が精神的健康に悪影響を及ぼしていると考えているという。調査対象者の約74%がソーシャルメディアとの関係を断つことに苦労していると回答した。
ドバイ在住の母親ファテン・エル・ハジは、16歳の息子がニキビの薬を選ぶ際、医者のアドバイスよりもソーシャルメディアのインフルエンサーの薦めに従うことを好むと述べた。「ソーシャルメディアはジムに行くことを勧める一方で、深刻な健康問題を引き起こす可能性のあるクレアチンパウダー、プロテインパウダーを買うように頼むようになった。15歳になってニキビができ始めると、彼はイソトレチノインを飲みたがった。医師に相談し、その医師は彼にこのようなことをしないように助言したが、彼は医師よりも影響力のある人たちを信用していた」と彼女は語った。
「インフルエンサーは、不健全な行動を助長するだけでなく、若い子供たちの精神衛生にも悪影響を及ぼしかねない。多くの若者が何時間もフィードをスクロールしている。他人と自分を比較し、どこか物足りなさを感じてしまうのだ」と彼女は付け加えた。
ドバイのThe Psychiatry and Therapy Centreで児童思春期のメンタルヘルスを専門とする心理療法士オリビア・イッツォは、インフルエンサー・ダイエットに興味を持つ若者を多く見てきたと述べた。彼女は、14歳から17歳の子どもたちが美容、健康、ダイエットのトレンドに影響され、またジャンクフードに夢中になっている子どもたちもいるという極端な状況を指摘した。
「最善の食事プランを決めるのは栄養士であり、医師である。インフルエンサーが決めることではない。だからこそ危険なのだ」とイッツォ氏は述べた。「すべての人がこのような食事法に耐えられるわけではないし、医学的にその人に適しているわけでもない。フィットネス・インフルエンサーやウェルネス・インフルエンサーといつも自分を比べていたら、本当の意味で幸せになることはできない。なぜなら、自分自身やなりたい自分に焦点を当てていないからだ」と彼女は付け加えた。
アブダビ大学で戦略的コミュニケーションとメディアを教えるブリリアント・ムランガ教授は、親、学校、当局、政府が一体となって、明確で効果的な方針を打ち出すべきだと主張した。「いつの時代も、各世代は何か(ネガティブな)印象を受けることがある。そのような時こそ、親や学校、関係当局が協力し、実際にそのようなことが起こらないようにする政策を打ち出さなければならない」と彼は述べた。
ソーシャルメディア・プラットフォームを運営する企業は以前から、ユーザーによって共有された有害なコンテンツをシャットダウンする努力を惜しまないとしてきた。先週ドバイで開催されたTikTokのMENAT Youth Mental Health Summitでは、TikTokのアウトリーチ&パートナーシップ、トラスト&セーフティEMEAの責任者であるリン・サットンが、セーフガードを設けることで人々を保護することを目指していると述べた。(引用:The National News)