– ソフトバンクG、米ファンドを売却 アブダビ政府系へ [2023/05/22更新]
ソフトバンクグループ(SBG)は子会社の米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループの売却で合意した。アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンド、ムバダラ・インベストメントと、フォートレス経営陣とが共同で買収する。ムバダラとフォートレスが22日発表した。
取引金額は明らかにしていない。売却後、フォートレス経営陣が同社の株式の30%を保有し、残りをムバダラが保有する。売却後もフォートレスは投資にかかる意思決定などに関して自律性を持ち、独立した運用会社として運営する予定という。
フォートレスを巡ってはSBGの孫正義会長兼社長が2022年8月の決算記者会見で売却の意向を示していた。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は5月中旬、SBGとムバダラが月内にも約30億ドル(約4000億円)で合意する見通しと報じていた。
SBGはフォートレスを17年に33億ドルで買収した。当初はフォートレスが持つ投資ノウハウをビジョン・ファンドなどに生かす計画だった。もっとも、SBGはフォートレスの投資方針などに介入できず、うまく相乗効果を生み出せなかったとみられる。傘下のビジョン・ファンドが苦戦し、グループ全体の業績が悪化するなか、保有資産を見直して財務の守りを固める狙いがある。
フォートレスは1998年設立で、22年末時点の運用資産総額は約458億ドル。国内ではレオパレス21や、ゴルフ場大手アコーディア・ゴルフ・グループなどに投資している。セブン&アイ・ホールディングスから百貨店子会社そごう・西武を買収することで合意している。(引用:日経デジタル)