– 中東6カ国とのFTA、24年にも交渉再開 政府調整 [2023/07/15更新]
政府はサウジアラビアなど中東6カ国で構成する湾岸協力会議(GCC)との自由貿易協定(FTA)交渉について、2024年にも再開することで調整に入った。岸田文雄首相が16日にサウジでGCCのジャーセム・アル・ブダイウィ事務総長と会談し、交渉再開で合意を目指す。
GCCにはサウジのほかアラブ首長国連邦(UAE)、カタール、バーレーン、オマーン、クウェートが加盟する。交渉は09年を最後に中断していた。
日本はGCCから原油の9割超、天然ガスの2割程度を輸入している。日本からは自動車や鉄鋼製品などを輸出する。日本への輸入に関税はかかっていないが、GCC向けの輸出には原則として5%の関税がかかっている。
日本とGCCは2006年に正式に交渉入りしたが、09年以降は途絶えている。日本はこれまでも首脳レベルで交渉の再開を求めてきた。足元では中国や韓国、インドもGCCとFTA交渉を再開していた。英国も22年に交渉入りしている。
経団連は日本が交渉で出遅れれば自動車などの輸出条件が不利になるとして、早期に交渉を再開し、関税を撤廃することを要望していた。経団連によると、自動車の輸出先としてGCCは米国に次ぐ第2位の市場で期待が大きい。
ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー安全保障の重要性が増すなか、日本はGCCといった中東地域と経済連携を深める狙いがある。
GCC諸国はエネルギー以外にも産業の多角化を目指しており、FTAをテコに経済成長に弾みをつけたい思惑もあるとみられる。(引用:日経デジタル)