-楽しみなドバイワールドCデー、そして尽きることのない音無師への感謝[2025/3/4更新]

こんにちは。今回は、先週末に行われたドバイのスーパーサタデーについてお話ししたいと思います。

サウジアラビアでの勝利の余韻に浸りつつ、私は矢作厩舎のスタッフと共にドバイへ移動しました。ドバイには、アメリカンステージとテーオーサンドニが既に到着し、レースに向けて調整のピッチが上がっているところだったので、新たな緊張感がある中の合流となりました。オイシン・マーフィー騎手も金曜日に合流して2頭の調教に跨り、万全の体制でスーパーサタデー当日を迎えました。今年は、3月1日からラマダンが始まった関係で、発走時刻が例年より2時間ほど遅れて開始されました。

ドバイ・メイダン競馬場

テーオーサンドニは、残念なから本来の力が発揮出来ず、マーフィー騎手がレース後にかなり悔しがっていたのが印象的でした。アメリカンステージは、去年のゴールデンシャヒーン勝ち馬でドバイ短距離界の絶対的王者タズに挑戦するレースとなりましたが、まだ3歳馬ながら最後まで諦めずに彼に挑んだファイティングスピリットに敬服しました。マーフィー騎手は馬をたたえるとともに、久しぶりに矢作厩舎の馬に乗れた事もすごくうれしかったと話していました。会場はとてもにぎわっていて、ドバイという街全体がにぎわっている印象でした。今年のドバイワールドカップデーはかなりの盛り上がりを見せるのではないでしょうか。

最後に、先週は私にとっても恩師のような存在の音無先生が定年で引退されました。私はその場にいることができませんでしたが、最後まで戦い続けた先生に尊敬の念でいっぱいです。マーフィー騎手にとっては日本での初G1騎乗が音無先生の管理するミッキーロケットとの有馬記念でした。追い切りのため栗東トレセンに伺った時に音無先生と始めてお話ししたのですが、その時は少し緊張感の漂う雰囲気でした。しかし、その夜の会食で音無先生と改めてお話しすることができ、とても優しい雰囲気で接していただきました。それからは海外遠征もお手伝いさせてもらい、一緒にたくさんの経験を積むことができました。中でも私にとって一番の思い出は、デルマソトガケのUAEダービー勝利と、その後のケンタッキーダービー挑戦です。「日本ダービーを勝ってないからケンタッキーダービーを勝ちたい」という先生の言葉に、勝ちへの貪欲さとダービーというレースの偉大さを改めて認識させられました。よく遠征をお手伝いさせていただく矢作先生と音無先生はとても仲良しで、みんなで一緒に海外遠征へ行けなくなる事が個人的に非常に寂しい気持ちです。音無先生、本当にありがとうございました。(レースホースコーディネーター)

海外で音無元調教師(左)と共に

(引用:日刊スポーツ)

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