– 中東のスターバックス、ガザ戦争ボイコットによる打撃で雇用削減計画　［2024/03/07更新］

　中東および北アフリカでスターバックスを運営するアルシャヤ・グループが、ガザ戦争に関連した消費者のボイコットにより打撃を受け、2,000人以上の従業員の解雇を計画していることがわかった。同社は地域のスターバックス従業員を約18パーセント削減すると発表し、過去6か月間の厳しい取引条件を理由に挙げた。同社の代表者は、「スターバックス・メナ店舗の従業員の数を減らすという、悲しくも難しい決断を下した」と述べている。アルシャヤ グループはクウェートで設立され、25 年以上にわたりメナ地域のスターバックスのライセンスフランチャイズ パートナーとして、1,300 軒以上のコーヒー ショップを運営し、11,000 人の従業員を雇用している。同社は「当社はこの地域に全力で取り組んでおり、今後も顧客にサービスを提供しながらビジネスを成長させていきたいと考えている」と明らかにした。

　一方、スターバックスは1月に第1四半期利益が市場予想を下回ったことを受け、2024年通年の売上高成長予想を下方修正した。同社の最高経営責任者、ラックスマン・ナラシンハン氏は、「中東におけるビジネスへの悪影響が見られ、中東での出来事は、私たちの立場についての誤解により米国にも影響を与えた」と述べている。

　スターバックスは昨年、パレスチナ支援のソーシャルメディアへの投稿をめぐり労働組合スターバックス・ワーカーズ・ユナイテッドを訴え、波紋を呼んだ。CPTマーケッツの首席市場アナリスト、ユスフ・マンサワラ氏は、「スターバックスは、政治問題への関与に関する誤った情報に積極的に対抗してきた」と指摘し、「この戦争中に活動家らの標的となったブランドはスターバックスだけではない。状況は依然として複雑かつ敏感であり、企業と個人の両方に影響を及ぼしている」と語った。

　マクドナルドは、中東全域の市場が、戦争とそれに伴う誤った情報により、ビジネスにおいて重大な影響を受けていると明らかにした。 四半期の同社の売上高は投資家の予想を下回り、中東紛争の影響もあり成長が鈍化したと伝えられた。業界にとって重要な指標であるこのレストランチェーン運営者の比較売上高は同期間に3.4％増加したものの、2020年第4四半期以来の低い伸びとなった。

　地政学的論争はビジネス、政治、社会活動の複雑な関係を浮き彫りにし、企業が「政治的に敏感な分野」での事業運営を慎重に進める必要性を強調していると、センチュリー・フィナンシャルの首席市場アナリスト、アルン・ジョン氏が指摘した。
(引用元：The National News)