– トルコ大統領UAEを訪問 7兆円規模の協力で合意 [2023/07/20更新]
トルコのエルドアン大統領は19日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビを訪問し、同国のムハンマド大統領と会談した。両国はエネルギーや科学技術分野などで総額507億ドル(およそ7兆円)規模の覚書や協定に署名した。UAE国営の首長国通信(WAM)が伝えた。
WAMによると取り交わしたのはエネルギー・天然資源の開発に関する連携の枠組みや、防衛産業分野での協力に関する覚書など。2月にトルコ南部で発生し、5万人超が死亡した大地震の復興支援に関する覚書にも署名した。
両国は政治・経済両面で両国の関係を強化する目的で「ハイレベル戦略委員会」の設置でも合意した。トルコ側によると両国の大統領が委員会の議長となり、両国関係を戦略的パートナーシップのレベルに引き上げる。
両国関係は2011年に広がった中東の民主化運動「アラブの春」以降は冷え込んでいた。トルコが運動を支える原動力となったイスラム原理主義勢力「ムスリム同胞団」を支援したためで、UAEは同胞団を敵視している。
しかし、21年11月にはムハンマド大統領(当時はアブダビ首長国皇太子)がトルコを10年ぶりに訪問。22年2月にはエルドアン氏がUAEを9年ぶりに訪問するなど、関係改善が進んでいる。今年3月には両国間の貿易の自由化や円滑化を目指す包括的経済連携協定を結んだ。(引用:日経デジタル)