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– サウジやアラブ首長国連邦(UAE)など中東湾岸諸国アジアの移民労働増 送金は最高更新 [2023/07/07更新]

国境を越えて働くアジアの移民労働が再び活発になってきた。2022年の新規移民労働者数は約460万人と新型コロナウイルスの世界的な感染流行前の水準に迫る。各国の行動制限が緩和されたのが主因で、バングラデシュが最大の移民送り出し国となった。移民労働者による送金は過去最高を更新し、各国経済を下支えしている。

アジア開発銀行研究所、経済協力開発機構(OECD)、国際労働機関(ILO)の報告書によると、22年のアジアの新規移民労働者数は464万2000人となり、20年の約180万人、21年の約220万人から急回復した。中国の「ゼロコロナ政策」解除前の数値で、23年はさらに増える公算が大きく、新型コロナ前の500万人の大台も視野に入ってきた。

新型コロナの猛威が一段落して各国の水際対策が緩和されたところに、世界経済の回復基調を背景に外国人の労働需要が急回復した。特にサウジやアラブ首長国連邦(UAE)など中東湾岸の産油国がバングラデシュなど南アジアの労働者の大きな受け皿となった。
原油価格の高止まりを追い風に、サウジなど湾岸諸国は積極的に不動産やインフラ投資を進めてきた。エネルギーに依存した産業構造を多様化するねらいもあるが、短期的に建設現場などで働く人手が不足するようになり、それを穴埋めするかたちで「南アジア→中東」はアジア最大の移民労働者の回廊となった。
アジア開銀研究所によると、サウジアラビアが22年にアジア各国・地域から受け入れた移民労働者は約150万人で過去最高を更新、バングラデシュから60万人超、パキスタンから50万人超をそれぞれ受け入れた。湾岸諸国のUAEやオマーンもバングラデシュやパキスタンからの移民労働者が目立つ。バングラデシュは22年に113万人の労働者を外国に送り込み、アジア最大の移民労働者送り国となった。

移民労働者は外国から家族らに送金することで母国の経済を下支えしている。22年のアジア太平洋地域への送金額は約3400億ドル(約48兆円)と過去最高を更新した。アジア太平洋地域への送金額は全世界の約4割に相当する。新興・途上国にとって移民労働者による送金はいまや対内直接投資(FDI)や政府開発援助(ODA)を上回る外国からの資金源となっており、各国・地域の個人消費や設備投資などを支えている。(引用:日経デジタル)

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