– アイカ工業、家具用化粧板で中東に初拠点 建設需要狙う [2023/08/24更新]
建築資材大手のアイカ工業は中東地域に進出し、日本でシェア首位のメラミン化粧板の需要を開拓する。このほどアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに営業拠点を新設した。中東各国は石油に依存した産業構造からの脱却が課題で、企業誘致や投資の呼び込みに力を入れる。オフィスなどの建設が増えるとみて、家具の表面材に使うメラミン化粧板の販売網を整える。
インド子会社のアイカ・ラミネーツ・インディア(ALIP)を通じ、8月上旬に中東で初めての支店を開設した。ドバイに立地して倉庫を併設し、受注に素早く対応する。ALIPは2025年3月までにメラミン化粧板の生産能力を現状から6割増やす。アイカ工業の海老原健治社長は「中東は脱石油を掲げ、投資を呼び込んでいる」とし、新たなオフィスや商業施設での需要を取り込む。
まず5人が駐在し、取引が拡大すれば増員も検討する。メラミン化粧板は樹脂に浸した紙を何層にも重ね合わせ、見た目は天然の木目の風合いなどに近い質感を出せる。メラミン化粧板は住宅需要もあるが、日本国内では着工件数が減ると予想されており、海外事業を成長のけん引役にする。
特に米中摩擦による地政学リスクを分散する地域として、インドでの不動産の建設が増えているという。ALIPの生産能力を大幅に高めるとともにインドだけでなく、ドバイに進出することで、中東で不動産投資を検討している顧客を開拓していく。(引用:日経デジタル)